本ブログはPCでベストな閲覧ができます

なんか変だなシリーズ 「関税でこんなに値上がり」

Contents

中国への145%関税の影響で~ 2025/04/12 ニュースステーション報道 

いずれも、2025年4月12日のトランプ大統領の中国に対する関税の影響を伝えるニュースのもの。一見して「なんか変だな」と気づくので検証する。


どちらにも【日本時間 午前0時時点 1$ = 143.5円で計算】と、小文字で記述が加えらえているので、関税による値上がりの計算が極めて正確であることを視聴者に印象付ける意味であろう。

オーナーのジャスミン・バイさんの話

この値段のあとで、オーナーが「関税を上乗せして売らないといけない」とあるので、視聴者に対して、来週からテレ朝の計算した値段程度になりそうとの報道である。

「関税を上乗せ」した場合の商品の値段を計算

アメリカの輸入食料品の利益率

アメリカの輸入食料品の一般的なグロス・プロフィット・マージン/売上総利益率)

通常の食料品店(グロサリーストア)では25〜35%が一般的ですが、
輸入品や特殊な商品(アジア系、ヨーロッパ系、オーガニック、グルテンフリーなど)を扱うとやや高くなる傾向
があります。
ここでは、30%で計算します。

利益率を同じにした場合の影響(関税20%⇒関税145%)

🎯 前提まとめ

  • 商品価格:1290円
  • 原価率:30% → 原価は 1290 × 30% = 387円
  • この387円に関税がかかる(中国製部分)
  • 利益=販売価格 −(原価+関税)

✅ ケース①:利益「率」を同じにする場合

  • 【ステップ1】関税20%のとき
  • 原価:387円
  • 関税(20%):387 × 0.20 = 77.4円
  • 総コスト:387 + 77.4 = 464.4円
  • 利益:1290 − 464.4 = 825.6円
  • 利益率 = 825.6 ÷ 1290 = 64%
  • 【ステップ2】関税145%のとき、同じ利益率(64%)を維持

✅ ケース②:利益「額」を同じにする場合

  • 関税145%:387 × 1.45 = 561.15円
  • 総コスト:387 + 561.15 = 948.15円

結果まとめ  1290円の干しシイタケの関税UP後の販売価格

オーナーのジャスミン・バイさんの話では、「来週の輸入分は関税を上乗せして売らないといけない」などと、値上げに慎重な姿勢が報道されていたので、利益額を同じにして上乗せとした¥1774以下と考えるのが普通。少なくても、利益率をKeepする(2634円)を大幅に超えて、値上げによる売り上げ減少分をさらに価格UPし、3160円とするのであれば話が矛盾する。

*ちなみに、1290円に関税145%UP分をそのまま乗じると、3160円となる(1290+1290X1.45=3160)が、このような計算は数学的にまったく意味が無く、偶然であろう。

そもそも、US$で関税が20%から145%になった時に、小売額がいくらになるのかを報道するのであれば、計算根拠を示した上で、値段を示すのが普通で、不明な計算のもとでUS$→¥の換算だけ小数点も気にして注記を入れるのは何を考えたのだろうか。

なんか変だな 結論

一見にして、なんか変だなと思わせるテレビ朝日の報道だが、キャスター、ディレクター、校正、その他デスク等、誰もなんか変だなと思わないのであれば、会社がなんか変だな。

この記事を書いた人

Contents