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小児のボタン電池の誤飲事故における製品側の対策課題の本質

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1.国内ではすでに「解決できている」問題

ボタン電池の誤飲事故は、医学的に重大な結果を招くことが明確にされています。


このリスクに対し、国内主要メーカーはすでに具体的な対策を講じています。

  • 工具がなければ開封できないブリスター包装
  • 個包装の徹底
  • 強い警告表示
  • 電池収納部のネジ固定設計

つまり、

危険は既知であり、対策も既知であり、実装も完了している。

少なくとも国内メーカーの製品に関しては、「技術的に難しい」という段階は過ぎています。

2.それでも市場に流通する無防備な製品

しかし、越境ECを含むオンライン市場では、

  • 簡易包装
  • むき出しに近い状態
  • 警告表示が不十分

といった製品が依然として流通しています。

とりわけ、巨大プラットフォームであるAmazonのマーケットプレイス等では、多数の出品者が海外から直接販売できる構造が存在しています。

簡易的は包装仕様で、目的は電池同士の絶縁のみ

紙の質が非常にわるく、湿気や経年で容易にボロボロになり電池が脱落する

3.監督官庁の責任

危険性が明確であり、既に安全仕様の実例が存在する以上、

  • 技術的に不可能
  • 実装例がない
  • 危険が未知

という説明は成り立ちません。

監督官庁には、

  • 市場監視
  • 販売停止命令
  • 輸入段階での差止
  • 安全基準の明確化

という権限があります。

それにもかかわらず、市場全体の安全基準を国内水準に揃える動きが限定的であるとすれば、

これは制度の欠如ではなく、執行の強度の問題です。

4.Eコマース事業者の責任

現代の流通において、巨大ECは単なる「掲示板」ではありません。

  • 商品ページの設計
  • 倉庫保管
  • 物流管理
  • 手数料徴収

これらを通じて、実質的に流通を支配しています。

にもかかわらず、

「出品者の責任」

という形式論で、安全基準を十分に統一しないのであれば、それは社会的インフラとしての責任を十分に果たしているとは言えません。

特に、国内メーカーが実行している安全仕様が明確に存在する以上、

同等水準を販売条件とすることは、技術的にも運用上も不可能ではない

はずです。

5.放置の構造

現在の構造は次のようになっています。

  • 国内メーカー:安全対策実施 → コスト増
  • 一部越境出品:簡易仕様 → 低価格
  • 消費者:価格比較で選択
  • EC:流通を維持
  • 行政:注意喚起中心

結果として、

安全対策を講じた側が価格競争で不利になる

という逆転現象が生じています。

これは市場の健全性の観点からも問題です。

6.課題解決のために

既に国内で実現している安全水準を、流通全体に適用する意思があるかどうか。
子どもの安全を守ることは、理念ではなく実務です。その判断を、監督官庁とEコマース事業者に問うものです。

この問題は単独官庁ではなく、よくある「複数官庁の分担構造」になっています。

分野主体
技術基準経済産業省
事故公表消費者庁
技術評価NITE
輸入監視税関
EC管理明確な専管なし

製品安全の「技術的規制」は経産省系統の役割となり、現在の無責任状態を脱するかどうかにかかってます。

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